独断的専門用語辞典

イセ・・・平面的な生地を立体的に仕上げる技法。袖山や肘、後ろ肩、フレアスカートの裾等で用いる。例えば、袖山にイセを入れるパターンをひいた場合、袖山部分をぐし縫い(粗ミシンでも可)して糸を引き、生地を少し寄せてやや生地を縮ませ、膨らませてから袖ぐりと縫い合わせる。生地によって、場所によってイセ分量は様々だけど。ウールの袖山なら2〜3cmはイセ可能。ただし、アイロンで言うこときかない生地の場合は、イサらずにギャザーになっちゃうことがあるので注意よ。ほんのりふくらみをかけたい部分に〜。

壱番館(いちばんかん)・・・銀座にある高級メンズテーラー店。その歴史と高い技術は有名で、顧客には有名芸能人や政治家も多数、とのうわさ。1m辺り10万円の生地を扱ったり様々なオーダーに対応してくれる。ここまで専門になると、左右で股ぐりのカーブが変わるらしく、奥の深さが計り知れない。。。

インベル・・・インサイドベルトの事で、ベルト布の中に入れるかための芯。接着できるものが主流。最近は柔らかめのものもあるけど、それでもインベル使ってベルト布を作ると結構かたくしっかり仕上がります。カジュアルではあまり見かけません。生地状の接着芯と違って、3cm幅のテープ状になって売られている為(多少バリエーションあり)ベルト布のベルト布によるベルト布の為の副資材。 別の利用法として、縫いズレを防ぐ為にこれを押さえ金に挟みながら縫う事も。

襟ぐり(えりぐり)・・・身頃と襟を縫い合わせているところの身頃側のカーブ部分。

オカダヤ(おかだや)・・・新宿にある洋裁専門店。〒160-002 東京都新宿区新宿3-23-17 (03-3352-5411) http://store.shopping.yahoo.co.jp/okadaya-ec/index.html

押さえ金(おさえがね)・・・生地を縫う為にミシンに取り付ける金具。押さえ金と土台に付いている送り歯で生地を押さえながら縫っていく。他に「テフロン押さえ」「片押さえ」等、種類は様々。

オリエンジョイことオリエ氏・・・本名藤田オリエ。 極めて高い技術力を持つ縫製のスペシャリスト。もしくは美しいのに縫製オタク。 彼女の「超!完璧主義」な仕事っぷりに目をみはる関係者も多い。 好きな飲み物は成分無調整の豆乳とあじわいオレ、レッドブル等。 辛いものは苦手。

折り伏せ縫い・・・縫い代始末の1つ。 普通縫い代はロックミシンをかけて割って始末するか、片倒しといって後身頃側に倒してアイロン始末するが、ロックミシンをかけず、生地端が見えない様に包んで始末する方法。 Gパンの内股部分の縫い代によく見られる。

かずおくん・・・(本名 野沢一樹)デザイン科卒業の25歳。 穏やかないでたちで実は辛口。笑顔から飛び出す辛口トークは常にワタシのツボ。 サマセミ時には期間限定で「カズオのボタンホール屋さん 1つ0円」を開業する。 おいしそうな手作りお弁当をいつも持参し、一見草食系だがその実態は未だにつかめない。。過去にスタ科でお世話になった学生も多く、講師のワタシもお世話になりっ放し。  以前着ていたりんご模様の津森のシャツが印象的。 好きな色は緑色。

キセ(被せ)・・・縫い目と折り目との間に差を付けることで、コートやジャケットなどの脇の縫い目、背中心の縫い目に用いるアイロン処理。一般的に表地がウールなどの場合、縦横に多少の伸縮発生するのに対し、裏地は薄手で伸縮が少ないため、遊び分やゆとりとして脇ハギで2〜3mm背中心で1cm位キセを入れる。縦にも動きが出るので身頃裾や袖口では1cmほどキセを入れる。

ギャザー・・・布を縫い縮めてしわや襞(ひだ)を寄せる事。 ウエスト部分や袖山に施される事が多い。 ふんわりとしたボリュームが出てフェミニンな印象になる。

ギャザー分量(ギャザーぶんりょう)・・・ギャザーのボリュームの事。 パターン上ではギャザーを寄せる為に入れる分量の事で、生地にもよるが、一般的なのは大体1.8倍。 要するに、18cmの長さの生地を10cmまで縮めた時の分量が一般的。(あくまで独断です!!)  仕上げたい長さに1.8を掛け算して計算します。  (例:仕上げたい長さが37cmの場合→37×1.8=66.6cm となります。)

ギャルソン・・・コムデギャルソンの略。 デザイナー川久保玲(かわくぼれい)が69年に立ち上げ、73年に(株)コムデギャルソンを設立。言わずと知れた日本を代表するブランド。 特に80年代初期に発表された「ボロルック」や「プアルック」には、そのアヴァンギャルドっぷりに、パリコレも度肝をぬいた。  現在主なデザイナーは川久保玲の他、渡辺淳弥、栗原たお、丸龍文人など。

究極100%ミラクル縫製・・・普通では考えにくい、もしくは不可能と思われがちな部分の縫製を行う事。又は縫製不可能の様な生地をミシンで縫い合わせる事。 オリエ氏の場合、「ティッシュのようなレース生地の襟ぐりパイピング」や「サテン地のバイヤス裾ライン3つ巻き始末」、「裏付きのコートにベスト縫い付け作業」等、そのバリエーションは豊富。 主に極限に追い込まれた頃にその能力が全開になるが、普段ひっそりと発揮される為、目撃できる事は稀。

ギリギリ感覚・・・アリかナシかといったら、ぎりぎりアリ!の感覚の事。 おそらくワタシ個人の独断的表現方法で、私の中では最上級を意味する。  2000年春夏のD&Gコレクション、ジョンガリアーノのデザインや世界観がこれにあたる。 誰にも真似できない唯一無二、という意味でもあり、今回ティムバートンが表現するアリスの世界観もこれに匹敵する。

小池千枝(こいけちえ)・・・1916年4月14日生まれ。長野県の出身で、文化服装学院の名誉学院長。文化裁縫女学校(現文化服装学院)を卒業後、同学院の助手となり、デザイン科を新設。その後フランスに留学し、パリ洋裁組合学校「サンディカ」で学ぶ。クラスメイトにイブ・サンローランが、隣のクラスには、カールラガーフェルドがいた。文化服装学院では、高田賢三、山本耀司等多くのデザイナーを育成し、日本のファッション界を世界的レベルに押し上げた。その実績から日本ファッション界の“ゴットマザー”と呼ばれ、海外でも“マダム・コイケ”として有名。

サテン・・・朱子(しゅす)の事だが、主に①朱子織りの事。 ②朱子織に織った生地の事。 たて糸かよこ糸のどちらかが、表に多く出るように織られているので、その生地の風合いはやわらかくしなやかで光沢があるのが一般的。


シーチング・・・たてよこ共に金巾(かなきん)よりも太い糸(23~24番手)を使った綿の平織り物。細布(さいふ)ともいう。 ちなみに、粗布(そふ)というものもあり、違いは糸の太さでこれは糸の太さが14~15番手位で厚手。  最初に書いた金巾は糸の太さが27~40番手位で、一番薄い。

地の目(じのめ)・・・正確には生地の縦糸と緯糸の織り目の事。裁断時によく言う「地の目を合わせる」「地の目を通す」とは、パターンに記されている矢印(この矢印は生地の縦糸の方向を示すように記されている)の記号と生地の耳を平行に合わせる事をいう。

芯(しん)・・・服を作る際に必要な付属品の1つ。正確には芯地(しんじ)という。接着芯等アイロンで生地に接着できるもの、生地に直接縫い付けて使用するもの等がある。 生地に貼りをもたせ服の型崩れを防ぎ体型をカバーして美しいシルエットを出す。身頃に張る他、襟や袖口見返し等に張る事もある。

ジャカード織り・・・紋織物の事。大柄を織り出せる開口装置を使った模様織りの生地。プリント等で柄を表現するのではなく、柄織りをすることで表面に凹凸や光沢の変化が生まれる。


ストレートアイロン・・・髪の毛を挟んでストレートに整えるヘアアイロン。巻き髪を作る為に先がカーラーになっているものもある。 私が購入したのは「株式会社プラタ」から販売されている「イオンストレートアイロン」。マイナスイオンを発生させながらスタイリングする事で髪のダメージを抑え、つやつやな仕上がりになる。

袖山(そでやま)・・・袖の部分で、身頃と付き合わせる山全体を指す。 袖のパターンの場合、袖付け線を表すカーブの部分がこれにあたる。 山の高さは袖によって様々で、ジャケットやコート等は比較的高く、シャツ等の場合は比較的低い。 山が高いほうが袖が下向きに付き綺麗な袖付きになるが腕が上がりにくくなり、運動がしにくくなる。 それに対し山が低くなるとシルエットはやや崩れるが、腕は上がりやすく機能的になる。 袖や袖山、袖ぐりについて語るには軽く一晩は必要、な程、奥深い。。

袖ぐり(そでぐり)・・・アームホールともいう。身頃と袖をつなぎ合わせる際の身頃側のカーブ部分を言う。

ツイード・・・太番手の紡毛糸(ぼうもうし)で織った、平織り、綾織、杉綾(すぎあや)の厚手で丈夫な織物。 ハリスツイード、ネップツイードなどは有名。 コートやジャケット、パンツやスカート等幅広く使用され、ファッションに携わらない人でも知っているくらい有名な生地ですね。

デニム・・・これは知っているでしょう。。どんな生地か。。 Gパンで使われている生地です。  たて糸に20番手双糸(そうし)、よこ糸に細めの未晒(みざらし)糸を使って綾織にした綿織物。 Gパンで有名なのは岡山県倉敷市。 町中が工場。

トワル・・・正確には生地名だが、ここでは本縫いに入る前に「シーチング」という生地を使って本番さながらに作った服の事をいう。トワルを組む、トワルチェックとは、シーチングを使って一度服を作ってそのシルエットやサイズなどを見る事をいう。大抵はパターンをひいたら一度もしくは数回、トワルを組み、思った通りに仕上がるまでパターンを修正する。

なみちゃん・・・一見ロリータコスプレキャラかと思いきや、実はメンズ科卒業。 たいがいの事をゆるーーく受け止め受け流しているようだが、周囲にそう思わせているだけで、本当は表面に出さないだけの真の大人な女性。 っと、思っているが実態はよく分からない。。 かわいらしい容姿とオトナな実態、適当っぽいけど確かな技術。。 相反する要素を多々持ち合わせている魅力的な存在。 サマセミ時には「看護婦コスプレ」を披露してくれる一面も。。5月生まれのふたご座。

沼田氏(ぬまたし)・・・メンズ服パタンナー。繊細なパターンをひき学生の頃から常にマイペースで作業をこなす。同学年だけでなく各学年、はたまたスタッフの間からも話題になるほど容姿端麗。生活感がなく一見近づきにくいが、話してみるととっても気さく。好きな食べ物はチョコレート。ワタシと同じAB型のみずがめ座。

バイヤス・・・生地の斜め45度の方向のこと。 バイヤスカットとか、バイヤスで裁断って風につかう。 織物素材は基本的に縦横には伸縮性がないが、バイヤス方向には多少の伸縮性がある。 ハンカチ斜めに引っ張ると少し伸びるでしょ?  バイヤスで裁断すると、ドレープが綺麗に出たり、柔らかいシルエットになったりするので、同じ生地でも使い方で表情が変えられる。

パターン(ぱたーん)・・・型紙の事。洋服を作る際、紙に服の設計図でもある「型紙」をおこしてから、制作していく。人によって線のひき方、展開の仕方など方法は様々。センスが問われる最もクリエイティブな作業工程。

パフスリーブ・・・パフとは「ふくらませる」という意味で、袖山や袖口にギャザーやタックを用いて膨らませた袖のこと。 ちなみに膨らみ具合の事を指して「パフリ分」とか、「パフッてるね!!」等と言ったりするが、これが一般的なのかどうかは微妙。。

ヒロアミー先生・・・承諾を得ていないので本名は控えますが、もと講師仲間。っていうか「仲間」だなんて馴れ馴れしすぎ&恐れ多すぎる大御所先生。国家資格の既製服婦人子供服製造技能士1級を取得している縫製のスペシャリスト。猫大好き。

ふじおくん・・・(本名 藤本雅人)メンズ科卒業。 どんなにレアな道具でも必ず持っている職人系。 以前見せてもらったオリジナルの道具バッグ(1m×50cm×30cm おおよそ)には、ありとあらゆる専門道具がつまっており、20番のミシン針まで揃っていて驚いた。ポータブルミシンの修理はもちろん、素人には不可能だと思われていたロックミシンの分解修理をたやすく行う。

布帛(ふはく)・・・織物生地の事。

フリル・・・「縁飾り、襞飾り」の意味ですが、幅の狭い布の片側に、ギャザーを寄せたりタックをたたんだりして、スカートの裾に付けたり切り替え部分にはさみこんだりした飾り布の事。 波のようにヒラヒラしている。

ヘムってる(造語)・・・正しくはヘム。生地端を折り返したへりのこと。袖口やスカート、パンツの裾など。裏に芯を貼って美しいヘムラインを出したりする。

歩行者天国(ほこうしゃてんごく)・・・通称ホコ天。決められた日時に限り、車両通行止めになる道路。露天やパフォーマンスなど色々な催しがある。現在主なホコ天は日曜日の新宿アルタ前。以前は原宿の表参道や、渋谷駅前も日曜日にホコ天だった。80年代ホコ天に現れた「たけのこ族」が有名。

股ぐり(またぐり)・・・パンツの右足と左足を縫い合わせている股のカーブ部分の事。


身頃(みごろ)・・・洋服の胴体部分のパーツ、もしくはそのパターン。

三巻押さえ(みつまきおさえ)・・・生地を約3mm幅で2回折りながら縫ってくれる、押さえ金の一種。三巻始末はスカーフ等の生地端の始末等に見られる。使いこなすにはそれなりの努力が必要不可欠。

務歯(むし)・・・ファスナーのテープの左右に付いた歯のような部品。スライダーを上下に動かすことで、この部品が開いたりとじたりする。材質はコイル樹脂、プラスチック、金属が一般的。

メンズのテーラー・・・「紳士服の仕立て屋」「紳士服の縫製師」の事。細かい採寸、製図、仮縫い等の工程を経て仕上げられる紳士服で、極めて難度の高い技術と知識、経験が必要とされる。

ゆきわた・・・肩に厚みを出す為に使用される付属品。肩パットに追加し厚みを調整する。

用尺(ようじゃく)・・・1着の服を作るために必要な生地の長さ等を計算する事。正確には表生地、裏地、接着芯、ボタンやファスナー等の附属品も含め、その服を作るために必要な材料の全てを書き出すこと。パターンを引き終わったら、使用する生地の幅を聞き、その幅で何センチの生地が必要かを算出する。

numero(ヌメロ、ニュメロ) ・・・扶桑社出版物。ヌメロ編集部(〒105-8070)東京都港区海岸1-15-1 (03-5403-8890)  元々はフランスのファッション誌。


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TOA(とーあ)・・・渋谷にある生地屋。1mあたり90円~の低価格生地もある。 たまーに「何でこれが1m280円!?」っと思うような掘り出し物に出会う事も。。  以前は新宿店もあったが、数年前に閉店。 〒105-0041 渋谷区神南1-19-3   tel:03-3463-3351

TOKIKO(トキコ)・・・メイクアップアーティスト。又は専門学校時代のワタシの同級生。 類稀なる酒飲みでもあるが、一緒に飲んだ人は必ず彼女の人柄の虜になってしまう。 以前2人で散々飲み明かした挙句、「これで払っておいて~~」と言って渡された財布の中に千円しか入っていなかった話はあまりにも有名。 名古屋出身。専門学校講師のほかヘアサロンでの講習会等も行っている。

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