服作りの作業工程 「採寸」

そろそろ、ブログ名にふさわしい内容も載せていこうかと思い、今日は服の作りかた、「作業工程」を説明したいと思います。

作りたいアイテムは様々だと思いますが、その工程にあまり違いはありません。

①デザインを考えてデザイン画を描く。

②採寸し、「実寸」と「上がり寸法」を出す。

③パターンをひく。

④トワルを組む。

⑤パターンを修正し、完成させる。

⑥裁断する為に生地を地直しする。

⑦パターンを乗せて裁断する。

⑧印付けをする。

⑨芯を張り(貼り)ロックミシンをかける。

⑩本縫い。

⑪仕上げ。

とまぁ、ざっとこんな感じですが、それぞれの工程にはまた更に細かい作業があります。

一気に書き上げても分かり辛いと思うので、今日は主に採寸作業について説明します。

まず、着心地のよい服を作りたいなら正確な採寸作業が必要不可欠です。

そのアイテムに応じて採寸箇所も様々ですが、基本的には

「バスト」「ウエスト」「ヒップ」「肩幅」「背丈」「袖丈」「着丈」「袖丈」 等でしょうか。。

シャツなどのトップスを作るなら袖口回りや腕回り、首付け根回り、裾回りなどの寸法、

パンツなら股上寸法、股下寸法、太もも回りや膝回り、裾回りの寸法、等が追加されます。

タイトなデザインなら更に綿密に採寸する必要があります。(使用する生地がストレッチ素材なら別ですが。。)

採寸で気をつけるポイントは、まず姿勢を正し、回り寸法の場合は地面と水平になるように体にメジャーを巻く事、特にヒップは人によって高さやその位置が様々なので、一番太い所をはかるようにします。

②に書かれている「実寸」と「上がり寸法」についてですが、

「実寸」とは、体にメジャーをあててはかったそのままの寸法の事を言いますが、それに対して「上がり寸法」とは、この実寸に「ゆるみ」や「運動量」などのゆとり分を加えた、実際に仕上げたい寸法の事をいいます。

タイトなパンツを作る場合でも、最低限の運動量を加えて制作しないと、ただのきつい動きにくい服ができるだけ、ということになりますね。

基本的に生地に伸縮性がない場合は、必ず何センチかのゆとり分を加えます。

ウエストで3~5cm、ヒップで1~5cm。 おおざっぱですね。。。

使用する生地にもよります。 作るデザインにもよります。

分かりやすく考えるなら、採寸している時、体にメジャーをあてながら深呼吸しておなかをふくらませてみたり、しゃがんでみたり、色々運動をしてみてメジャーがどの位ゆるむか見てみると良いと思います。  呼吸をするだけでおなかは出たりへこんだりしますよね。

腕を伸ばした状態でひじ回りにメジャーをあてて、そのままひじを曲げるとメジャーがきつくなってくると思います。 ひじを曲げてもきつく感じなくなるまでメジャーをゆるめた時の、その差が運動量、という事になります。

こんな感じで「実寸」と「上がり寸法」を出します。

ただ体にメジャーを当てるだけの簡単な作業ですが、これを正確に行うにはやはり慣れることが一番。 ポイントをおさえて、最初はゆっくり正確に採寸しましょう。

ちなみに、ワタシが仕事をしている時、タレントさんやミュージシャンの方々ご本人とお会いできる事は珍しく、ほとんどの場合、寸法表とデザインが送られてくるだけか、間に入っているスタイリストさんに伺うかのどちらかです。

プロのモデルさんなら、バランスのとれた体型で当たり前なのですが、タレントさんやミュージシャンの方々の場合、その人によってバランスは様々。 とっても小柄だったり、とっても細かったり、ものすごくグラマラスだったり。。

採寸表から伺える部分もありますが、私が心がけている点は、それらをふまえた上であくまで自分の頭の中で体型やバランス等の体の形をイメージして、完成の全体像をしっかり自分の頭に思い描いてから制作に入るということです。

こういうことが出来るようになったのは本当にここ数年ですが、いくつもお仕事をさせていただきながら出来るようになった事です。

着る人の数だけ体型があり、パターンも変わる。 1つ1つの経験をしっかり記憶してそれを次に活かせるよう心がけるようにしています。

特に衣装の場合は制作前に、「着る人をしっかりイメージできるか」がとっても重要です。

その為にも、採寸作業はしっかり正確に行いましょう☆

採寸の段階ですでにこんな感じ。。笑

パターンになるともっと複雑ですね~。  そこがおもしろいのですが。

次回はパターンについて、説明したいと思います☆

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